子の自尊心
よくメディアや教育番組などで子の自尊心を尊重してあまり怒らずに子育てしましょうなんて言いますが、言ってる方も、言われている方もちゃんと意味を分かっているのかと疑問に思う事があります
そもそも自尊心とは何か?から定義しないといけないような気もしますが、辞書では、「気持ちを大事にする」とか、「プライド」などと定義されています
子の気持ちを大事にする子育ては、ある程度重要だとは思いますが、それをそのまま言葉通り行なってしまうと、わがままな子になったり、自分の思う通りにいかないとすぐにキレてしまうモンスターを育ててしまうような気もします
歴史に残るような凶悪な犯罪者の過去を調べると虐待されていたケース(自尊心の破壊された子)が多いですが、それとは逆に、おじいちゃんやおばあちゃんに甘やかされて育てられたというケースも多くあったりします。なので、過度に自尊心を尊重する子育てが正解とは言えない気がします
ここは、私の経験からですが、私が思う子の自尊心との向き合い方について少し書いていこうかと思います
少し自分語りになりますが、私の父親は毒親だということは、これまでこのブログにも度々書いてきましたが、私は幼少期の頃から、自尊心といわれるものを破壊されてきました。「破壊」と大袈裟に書いてるように思えるかもしれませんが、文字通り通り破壊です
自尊心が破壊されるとどうなるかというと、自分という人間を肯定できなくなり、自分には生きる価値すら無いような否定的な気持ちになります…
スターウォーズで例えると、暗黒面に落ちるというやつです
では、親が子の考えを大事にしないと自尊心を傷つけるのかというとそうではないと思っています。自尊心が傷つくというのは、ある一定の条件が重なった時だと思っているからです
例えば、2人の親子がひもじい思いをしているとします。食べ物がおにぎり一個しかない状況を思い浮かべてください
普通の親なら自分は食べないで子に与えると思います。でも、毒親はそうではありません。その1個を子に与えずに平気で自分が食べるのです。普段から子の事なんて1ミリも考えていません
この時の子の心境はどうなっているでしょうか?きっと親に対する信頼だとか、自分は嫌われているのかとか、もっと親に愛されるためにはどうしたらいいのかを考えるような愛情の足りない子になってしまいます
このような精神的に不安な時に「あれはダメだ!これはダメだ!」なんて親に否定された時に、その子の自尊心は破壊されます
心に穴が空くような感覚になるんです。精神的に落ち込んでいる時に、さらにキツく怒る事で、子の心に大きなダメージを与えるんです
では、先ほどの例で、最後のおにぎりを渡された子の心境はどうなるかというと、親に感謝の気持ちと、少し悪いなという罪悪感みたいな心境になるかと思います。今は貧しいけど、大人になってお金持ちになって助けてあげたいという優しい子もいるかもしれません
このように、常日頃から親の愛情を感じている子が、親に「あれはダメだ!これはダメだ!」なんて口うるさく言われたとしても、愛情の1つで言われているだけだとしか思わないと思います。心に穴が空くようなこともありません
この時に反発をする子もいるかもしれませんが、反発できるだけのエネルギーが普段からあるという事の裏返しでもあります。自尊心の破壊された子は、そもそも心にエネルギーが無いので、親の言いなりになる傾向にあるからです
このように、子の自尊心を尊重するしないにかかわらず、前提条件として、日常的に、親として愛情を与えられているかを考えるべきではないかと思っています